ささやかだけれど、面白いこと

面白いと思ったものの感想と考察と妄想とエモを置いときます

フルーツバスケット1巻感想

【※あらすじはあまり説明しませんが、唐突に重大なネタバレをしますのでご注意ください】




フルーツバスケットのあらすじをおおまかに、ちゃんと読んだ人に叱られそうなくらい適当に説明すると、

母子家庭で母を亡くした高校一年生の女の子、【本田透】がなんやかんやで同級生のイケメンの家で同居することになったけど、その家の人たちは異性と抱擁すると何故か十二支にちなんだ動物に変身してしまう一族で、透くんはその一族の人々と仲良くなったり心を通わせたり、傷ついた人を前世は仏陀かキリストかな?レベルの神対応で癒しては(人として)惚れさせていくというハートフルな物語です。十二支の動物に対応しているため12人動物に変身しちゃう人が出てくるので、全員と会うのでだんだん仲間を増やしていく感じもあり、そこもおもしろいポイントなのだと思います。

自分がはじめて読んだのは中学生くらいの時で、その頃は恋愛への憧れがあったので、この漫画を主にラブストーリーだと思って読んでました。

でも、大人になってから読み返すと登場人物のほとんど全員が不憫な生い立ちなことに気付いて、

号泣必至の現代ヒューマンストーリー 
~ファンタジーを添えて~

って感じのイメージに変わりました。
めっちゃ泣けますが、結構ギャグが多くて笑えるので読んでいても辛いばかりではありません。
そして主要登場人物は十代の若者で、ほとんどみんな良い子ばかりなのですごく癒されます。そんな良い子達がいろいろと悲しい目に遭うのでたまに胸が痛いのですが・・・
ただ辛いだけではなく、最終的にはその子達全員に救いがある優しいストーリーなのと、主人公の透くんがまじで神レベルの人格者で読んでいて救われる時があるので、世間に揉まれて疲れた大人にこそおすすめです。

1巻の私の号泣ポイントを羅列しますと

①透くんは15歳くらいの女の子で、たった一人の家族でとっても仲良しだったお母さんを突然の自動車事故で亡くしてから数ヶ月、健気に自分の生活費や学費をバイトで稼いで暮らしているんだけど、もうここから読者を泣かせようとしてくる。無理。心が痛い。15歳なんてまだほんの子供よ・・・!!!子供が苦労するのは可哀想すぎて見てられない・・・!
しかもこの亡くなったお母さんは後のエピソードで人柄が語られていくのですが、とても素敵な良い人なんですわ・・・こんな人に育てられたから透くんの精神は神レベルの尊さなんだね、と納得できるくらい尊い人。(結婚前はバイオレンスな喧嘩するタイプの80年代ヤンキーだけど)

②透くんはある事情で一時期家がなくテント暮らしをしていたのですが、ヤンキーと超能力者の親友がいるけど迷惑をかけたくなくて相談もしていないんですよ。透くんは自分のことよりも人に気を使ってしまう、相手のことばかり考えてしまう優しい子なんです。まぁ普通に考えて、どんな大親友でも家に何ヵ月か分からないけどとりあえず住まわせてくれ、なんてちょっと言えないよね。常識のある良い子やで・・・テントで一人暮らしするのはちょっとヤバイけど。ハングリー精神がありすぎる。子供が苦労するのは辛いのよ・・・今の自分が引き取って養ってめっちゃ幸せにしてあげたい。

あと、フルーツバスケットは名言のオンパレードですので、一巻から名言を一つあげてみます。

「欲望は誰でも生まれながらに持ってるから理解しやすいけど、やさしさは個人個人の手造りみたいなモンだから、誤解されたりギゼンだと思われやすいんだよな。・・・疑うなんて誰にでもできる簡単なことだし、透は信じてあげられる子になりな。それはきっと、誰かの力になる」

これは透君のお母さん、今日子さんのお言葉です。透くんが他人の善意を疑わず、他人に対して何事も悪い方にとらないのは、このお母さんの教えが頭の片隅にあるからなんでしょうね・・・良いこと言うーーー!!!

以上、一巻を読んだ人にしかわからないであろう感想でした。